カテゴリー
本の感想

チェ・ゲバラ伝

会社の昼休みにコツコツ読んでいた「チェ・ゲバラ伝」読了。
革命家チェ・ゲバラの青年期、キューバ革命、キューバの役人時代、コンゴ、ボリビアの革命活動が綴られてます。
チェ・ゲバラといえばハイライトはキューバ革命だけど、ゲバラが他の革命家と違うのは革命を成功させて権力を掴んだにも拘らず全てを投げうって、再び別の国での革命に身を投じたところにある。
キューバ革命後のコンゴやボリビアでの活動は実を結ばなかったけど、彼が多くの人達に今もなお尊敬されるのは、最後の最後まで革命家であり続けたからだと思う。
一方でこの本を読んで思ったのは、フィデル・カストロもチェ・ゲバラとは違った意味で優れた革命家だったということ。チェは自分でも言っているように「救いがたい理想主義者」。一方でカストロは現実を冷静に見極めることが出来る政治家としての能力に長けている。この二人がいたからこそキューバ革命は成功したし、キューバ危機を乗り越えることが出来た。
どちらも素晴らしい革命家だった(カストロはまだ生きてるけど)
それでもカストロよりもチェ・ゲバラのほうが世界で人気があるのは何故か?
日本はアメリカと仲が良いから、キューバというと「独裁」「社会主義」というネガティブなイメージが先行することもあると思うけど、それよりも大きいのはチェが「救いがたい理想主義者」だったからなんじゃないかな。
愚かな程に真っ直ぐ。そういうところに人は惹かれるんでしょう。少なくとも僕はそうです。そういうチェ・ゲバラのブレない愚かさをひしひしと感じることができる素晴らしい一冊でした。

カテゴリー
音楽

浜田省吾ライブ@大阪城ホール

おととい会社の給湯室で、突然先輩に浜田省吾のライブに誘われまして、
急遽妻と一緒に大阪城ホールに駆けつけました。
浜田省吾と言えば、なんといっても「もうひとつの土曜日」でしょう。
あとはドラマ(愛という名のもとに)の主題歌だった「悲しみは雪のように」。
ずばりこの2曲しか知りません。
会社の先輩は熱狂的なハマショーのファンなので、今回のツアーで歌う曲を独自に編集したCD-R(三枚組)を予習用に貸してくれました。
聞けば今回のライブは公演時間が4時間近くになるそうだ。
2曲しか知らなかったら、拷問に近い4時間になってしまうだろうと思って、2日で必死に聴き込む。
長いこと一線で活躍しているだけあって、なかなか良い曲もあるなあ・・・
という程度で本番に望む。
ハマショーはいつもサングラスをしているけど、ライブでも一度も外さない。
サングラスのせいか、年齢不詳だとは思ってたけど、なんと58歳なんだそうな。
58には見えんわ。若いなあ。
ライブ中には、お客さんの年齢層調査も行われてたけど、40代がダントツ。
そういや会社の先輩も40代。
60歳以上も10歳未満も少ないながらいました。
で、ライブですけどね。
かなりかっこ良かったですわ。直前対策の効果もあってほとんど「なんとなく聞いたことがある」曲だったし。
ハマショーは長渕をちょっと上品にした感じですね。だから長渕好きの僕としては結構入り込みやすかったな。
ライブパフォーマンスは、正直言って最近の長渕より上。一つの曲をだらだら延ばすことも無いし、歌詞もしっかり頭に入ってる。盛り上げ方もハマショーのほうが良かったな。長渕ファンの僕がそう思うんだから、結構良いライブだったと思う。
唯一の問題!
「もうひとつの土曜日」「悲しみは雪のように」どちらも歌わなかったこと!
もうひとつの土曜日はどうしても生で聴いてみたかったなあ・・・。
また行ってみようかなー。
セットリスト
ON THE ROAD 2011 “THE LAST WEEKEND”
10月9日(日)大阪城ホール
01.ON THE ROAD
02.この夜に乾杯!
03.HELLO ROCK & ROLL CITY
04.独立記念日
05.反抗期
06.光と影の季節
07.Thank you
08.MONEY
09.風を感じて
10.片想い
11.あれから二人
12.PAIN
13.BLOOD LINE -Instrumental-
14.我が心のマリア -Instrumental-
15.マイホームタウン
16.裸の王達
17.詩人の鐘
18.Theme of Fathers’s Son(遥かなる我家)
19.RISING SUN (風の勲章)
20.J.BOY
21.僕と彼女と週末に
22.愛の世代の前に
Encore
23.ラストショー
24.モノクロームの虹
25.君がいるところが My sweet home
26.I am a father
27.路地裏の少年
28.家路
29.日はまた昇る
Encore2
30.君が人生の時

カテゴリー
本の感想

しょっぱいドライブ

生まれて初めて本をタイトル買いしました。

「しょっぱいドライブ」

なんとものどかな感じ。しかも聞けば第128回芥川賞受賞作品だと言うじゃないですか。
手に取ったのも何かの縁だと思い買いました。
・・・が、しっぱい。いやしょっぱいと言ったほうが気が利いているか。
3つの短編が収められてるんだけど、どれもこれもしょっぱい。切ないとか悲しいとかじゃなくてしょっぱい。
全ての登場人物が好きになれないの。無気力でけだるい調子。
思わず「芥川賞」ってなんなのよって思って調べてみました。
芥川賞と並んで直木賞が有名なわけで、なんとなく響きからして、芥川賞のほうが難しい作品で、直木賞が分かり易い作品なのかと思ってたら、芥川賞は新人が対象で、直木賞はある程度のキャリアを積んだ作家が対象らしい。
まあ、新人なら許せるか・・・。
いや許せるとか許せないとかそういう話じゃないか。
しょっぱすぎました・・・。

カテゴリー
本の感想

モーターサイクル・ダイアリーズ

税理士試験の受験が終わって久しぶりに読書でもしてみるかと手に取った本が、
チェ・ゲバラのモーターサイクル・ダイアリーズ。
映画を見たことがあったし、革命家チェ・ゲバラというよりも、青年エルネスト・ゲバラくんの旅行記なので、気楽に読めるかなと。
ところがどっこいGoogle翻訳で訳したのかと思うくらい読みづらい文章で、かなりつっかえつっかえ読みました。モーターサイクルも途中から全く関係なくなってしまいます(笑)。
この南米旅行が革命家チェ・ゲバラの原点だという話もあるけど、あんまりそうは感じなかったな。南米を深く知るきっかけにはなったようだけど、社会を変える決意をしたというよりは、医師になる決意を強くした感じがする。
おそらく革命家になるきっかけは2度目の南米旅行なのでしょう。そして巻末のキューバ革命後のチェ・ゲバラの演説を読むと、ゲバラは革命活動を通じてより革命家としての志を強くしたことがよく分かる。結局このチェ・ゲバラの演説の部分が一番面白かった・・。

カテゴリー
本の感想

P2

秋に京都に遊びに来たEから借りたサスペンス系の小説。
舞台がバチカンだったので、年末年始にローマに旅行する前に読んでみました。
ダン・ブラウンの天使と悪魔をちょっと安っぽくしたような感じなんだけど、かなり史実に忠実に作られているらしく、旅行前の勉強としては凄く良かった。
まず1978年に在位期間わずか33日で亡くなったローマ法王がいたということに驚きました。かなり短い在位期間が故に、このヨハネ・パウロ一世の死については当然様々な陰謀説がうずまくわけで、「P2」のような小説が誕生するのもうなずける。
33日という数字は、キリストが亡くなった年齢(33歳)と一致することもまたドラマを感じさせてしまう。
と、まあ素材はすごく良いと思うんだけど、ストーリーは荒削りだったなあ。謎の種明かしも、ふーん、ああそうですか、という程度。ロンドンとかリスボンとかヨーロッパ中を舞台にしているけど、伏線の全てがことごとく深みが無い。
バチカン、フリーメイソン、CIA・・・サスペンス小説にありがちな要素が盛り込まれ過ぎなんだと思う。
物語に深みをもたせるために、この小説が事実に基づいていると思わせる仕掛けが最後に待ってるけど、まあ単なる演出だろうなあ・・。
一応あとがきによれば、2018年9月29日にヨハネ・パウロ一世の死に関する証拠文書が公開されることになってるらしい。
そんなに待てないから、ウィキリークスで公開されないかな?

カテゴリー
本の感想

悩む力

姜尚中。
僕は日本で最も賢い雰囲気を醸し出している人といったら、真っ先にこの人を思い浮かべます。
学生の時に良く見ていた朝まで生テレビで活躍していたのを良く覚えています。
落ち着いた低い声で語りかけるその話し方もとてもクール。
賢い雰囲気だけでなく、ホントに賢い。
でも、今まで姜尚中の本は1冊も読んでなかったんだけど、ナンバーで長谷部がこの本をオススメしていたので読んでみました。
哲学的でよく分からん部分もあったけど、自分なりに解釈した結果強く共感できるところが多々ありました。
タイトルに「悩む」という言葉があるだけに、正解とはこうだと決めている感じは無く、読み手に対して「あなたはどう思いますか?」と語りかけているよう。
僕が感じたのは人とのつながりのあり方。
今はメール、ブログ、ツイッターで世界中の人とやり取りできる。僕も京都に引っ越した今でも友達との距離感を簡単に縮めることができる。知らない人とすらコミュニケーションできる。便利。
だけど、それで充実したコミュニケーションがとれているかというとそうではないと思う。
やっぱりコミュニケーションはface to faceだと思う。もちろんテレビ電話とかそういうことじゃなくて、実際に会って空気を共有するってこと。
メールやツイッターはそれを補う道具であってほしい。メールがきっかけで久しぶりに友達と会うことが出来たら良いと思うけど、メールしてるから会わなくていいやってなったら本末転倒だと思う。
必ずしも「便利、楽=幸せ」ではないってこと。
そのバランスは一人一人が悩んで答えを探さなくてはいけない。でもどんどん人は便利とか楽に流れていく。あんまり悩まないとそのスピードはどんどん増していく。
そんなことを強く思いました。
これは本からの引用ですが
「不自由だからこそ、見えていたものがあった。自由になったから、見えにくくなったものがある。」
そういうことだと思います。
これって、長渕剛のSTAY DREAMと全く同じですね。
「尽きせぬ自由は、がんじがらめの不自由さの中にある」
たまには、こういうこと考えると良いと思いますよ。

カテゴリー
日頃の出来事

3D

10月に京都にやってきたヨドバシカメラに早速行ってきました。
店内に流れるおなじみのヨドバシカメラのテーマソング。
だけどもなんだか、歌詞がちょっと違う。
慣れ親しんだ
「まあるい緑の山手線、真ん中通るは中央線、新宿西口駅の前カメラはヨドバシカメラ♪」
じゃなくて
「ヨドバシカメラは大きいな 親切、丁寧、うれしいな。
京都駅前楽しいな みんなのヨドバシカメラ♪」
なのね。
まあ京都で山手線とか新宿西口とか歌っても意味ないもんな。
で、そのヨドバシカメラで大々的に3Dテレビが売り出されていたので、初めて3Dテレビを体験しました!
販売員から専用メガネを渡されて、かなり期待しながら画面を見る。
・・・が、期待が大き過ぎたのか、思ったより飛び出てこない。
立体というより、手前の画像、真ん中の画像、奥の画像って感じで、平面が3枚並んだ感じ。あれ?こんなもん?って思ってると、隣で奥さんが
「スゴーイ!飛び出してる!わー!」
と、とても興奮してる。
だいたいこういうイベントの時って僕のほうが興奮するから、そのテンションの高さに驚いた。もしかして僕のメガネが壊れてるんじゃないかって思うくらい、奥さんは感動してました。
「そんなに飛び出てるか?」
って不思議に思いながら尋ねると
「めちゃくちゃライオン飛び出て来てるじゃん。なんで?」
すっかりご満足の様子なので、もうそれで良しとしました。
ということっで3Dテレビは消化不良だったけど、なんだかんだ4時間以上滞在しました。カメラとかケータイとか時計とかパソコンとかあれやこれや触って試して4時間半。
でもって結局何にも買わず。
安上がりだな。
確かに「京都駅前楽しいなみんなのヨドバシカメラ♪」でした。
ちゃんちゃん。

カテゴリー
友達

結婚式のいいまつがい

中学の友人Sが結婚しまして。
すでにバリで挙式したとのことなので、日本では友達を集めてお祝いすることになった。
大原簿記の授業を午前中だけ受けて、新幹線で東京へ。
屋形船を貸し切って後輩も含めて30人弱で大騒ぎ。
2次会は六本木のFお店へ移動して朝まで。
途中でSが軽く挨拶することになった。
友達ばかりの集まりなのに、やや緊張のS。
酔っていたせいもあって、ちょいしどろもどろ。
つっかえつっかえスピーチが進み、なんとか締めの言葉。
おそらくSは
「二人を温かく見守って下さい」
って言いたかったんだと思う。
でも、緊張とアルコールが締めの言葉をこう変えました。
「二人をなま温かく、見送って下さい」
・・・見送るってまるで死んじゃうみたいじゃないか。
結婚パーティーなのに縁起でもない。
ま、見送るのはやめておくけど、なま温かく見守るとしますか(笑)

カテゴリー
日頃の出来事

ど迫力!寺島進!

こないだの土曜日、近所でTVの撮影をしてました。
大勢のスタッフの中で、有名人を探してみると名取裕子を発見。
名取裕子は割とウチの近所で撮影していることが多いらしく見かけたのは2回目。
2回目ということと、ファンでもないので特に感動無し。
他に誰かいるかなと思っていると、映画の監督が座るみたいなイスに大股開きでドカっと座った男性発見。でっかいサングラスをかけて台本みたいな冊子を手にしていたので、直感的に監督さんかと思った。
めちゃくちゃ怖そうな監督だなと思っていると、あれ?なんか見覚えが。
おおお!寺島進じゃないか。
サングラスをかけてたからすぐ分からなかったけど、あのアゴでわかった。
すげえオーラだ。
プロフィールにも書いてる通り僕は寺島進が一番好きな俳優です。
長渕ドラマの「とんぼ」で演じたチンピラ役を見て衝撃を受けました。
今でもモノマネできます。
「英二さあーん。あずささんって言いましたっけ。大事な妹さーん。
良い女になりましたねえ。ヒヒヒヒヒ」
でもって長渕演じる英二さんに耳を切り落とされてしまうのです。
凄い演技だったなあ。思わず俳優の名前調べちゃったもんな。
確か役名もなくて「ピアスの男」とかそんな扱いだった気がする。
当時はチンピラだったけど、目の前にいる寺島進さんは親分って感じだ。長渕、哀川翔を超えるヤクザ度合い。名取裕子と対決するヤクザ役かあと思って、WEBをチェック。
どうやら「京都地検の女」というドラマらしい。
うんうん。二人ともこんな格好してたわ。ふむふむとHPを見て行くと驚きの事実が。
なんと寺島さん。ヤクザ役じゃなくて京都府警の警部補役。全く逆の立場じゃないか。
スゲエ。警察演じてもヤクザに見えちゃうんかよ。
急いでたから話しかけられなかったのがホント残念。まあ時間があってもおっかなくて話しかけられなかったかなあ。でもホント好きなんだよね。
ちなみにとんぼでの寺島さんは耳を切り落とされた後、あずさ(仙道敦子)に会ってこう言います。
「俺よ。お前んとこのアニキによ。耳、バサー。こっちの耳ねえの」
この時のからみかたも凄かったなあ。
今オフィス北野のプロフィールをチェックしてみたら、とんぼがデビュー作でした。
あの演技でデビュー作かよ。改めてスゲエ。

カテゴリー
本の感想

小さなスナック

リリー・フランキーとナンシー関の対談集。女性誌「CREA」の連載を本にまとめたもの。
二人とも色々な顔を持つけど、一番大きな看板はイラストレーターだと思います。
二人に共通するのはイラストレーターという肩書きだけではなく、「独特なモノの捉え方」が世間で評価されているということじゃないでしょうか。
この本はそれを証明していると思います。
ナンシーさんは凄く毒舌というイメージがあったけど、あまりにリリーさんが子供っぽいので、この対談では大人役を担ってバランスをとってるように感じます。
その辺りにも頭のキレを感じるなあ。
二人とも、頭が良くて自分に正直なところが素敵。自分がやりたくないことはやらない。やりたいことを一生懸命やる。そんなシンプルなことが出来てる人って実は少ない。
そんな二人が言いたいことを言ってる本ですね。
時折
「そりゃああんた、自分勝手だよ」
ってあきれちゃうところもあるけど、僕らがなんとなくもやもや感じていたことを的確に言い当てていることが多くて、思わず「なるほど!そうそう分かる!」ってうなずいちゃいます。
ナンシー関さんの消しゴム版画には、版画に彫っている人の人柄を面白くかつ的確に表現している一言が書いてあるけど、それに似た「的確さ」をビシビシ感じられる一冊です。
ご存知の通り、ナンシーさんは2002年に他界してしまいました。この本の連載中だったそうです。バカな話を山盛り読んだ後に、リリーさんのナンシーさん宛のメッセージを読むと泣けてきちゃいます。
ナンシーさんが亡くなった時は、ふーんとしか思わなかったけど、惜しい人を亡くしたんだとやっと分かりました。
それにしてもこの対談は「CREA」で連載されていたとのことですが、こんな対談を女性が喜んで読むんですね。それもちょっと意外でした。